月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「私が外を歩き回って、大丈夫なのでしょうか――」


 寧丸の行動は三箇の言葉にそむくことになる。


「移動の間、ずっとここに座ったままだなんてできるわけがないし、体に悪い。私が変装していればよいだけのことだ」


 三人は弁当を購入してから、木陰で昼食をとった。夜伽者に選ばれた時には考えられない憩いのひと時だが、桐杏は気がかりで落ち着かない。


「島民たちと行き違いになったらどうしようかと考えます」


「私はそうならないと思う。島民たちだって、バロンへ来て桐杏を取り戻すからには全員生きて帰りたいはずだ。そのためにはじゅうぶんな食料や資金、体力――準備や計画に時間を要することだろう」


 寧丸はすぐに答えた。その根拠には納得させるものがあり、桐杏はほっとする。
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