月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「寧丸さま、寧丸さまが留守にしている間に、他の夜伽者の女性たち――琉忍さんと瑚乃さんが不必要な存在だと判断されたりしないでしょうか」


 相手に突っぱねられ、自分から会わないと決めたにしても、桐杏はふたりのことが気にかかった。


「大丈夫だ。彼女たちはそんな簡単に殺されはしない。なぜならば、夜伽者を選ぶとなると、かなりの手間と労力がかかる。琉忍氏は親と仲が悪く、瑚乃氏の家族は政府に協力的。よっぽどのことがない限り、彼女たちの存在が消されることはないだろう。仮に妊娠したとしても、まずは人工流産させるようにするのだ」


「そうだったのですか」


 妊娠したら死、という島の教えは、事実と異なると知る。じゅうぶんに休むと、三人は馬車を止めてあるところまで戻ろうとした。
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