月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


 数分後、ひとりの青年がやって来る。


 彼こそが皇帝・畏怖羅の息子だ。年齢は桐杏より一歳上の十六歳と聞いている。寧丸は静かに桐杏の前へと座った。


 ろうそくの炎が照らす室内で、初対面のふたりの目が合う。寧丸は奥二重のまぶたで切れ長の目をしていた。あごは先がとがっている。男性でありながら、女性的な輪郭をしていた。


 彼から上品な雰囲気がただよっているのは、国民からの評判がよくない皇族といえど、高貴な身分だからか。それとも、育ちによるものなのか。


 寧丸はまぎれもない美男子だった。不覚にも、桐杏の心はどきどきとする。
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