月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「ああ、なんということだ。まさか裸で待機させるなんて。知らなかったとは言え、私はそなたに許されないことをした」


 寧丸はそう言って、桐杏の肩に布団をかけた。


「……えっ?」


 思いもよらない寧丸の行動に、桐杏の頭は混乱する。


「安心しろ。私はそなたを慰み者にするためにここへ来たのではない」


 寧丸は桐杏のほほに手をそえた。凛とした瞳で彼女を見つめている。その表情から、彼が比較的おだやかな人間であることは間違いない。だが、優しさの中に冷たさがどこか混在したような目をしている。桐杏も目の前の彼をじっと見た。


「しかし、うわさのとおりに美しい――こんなに美しい女性を見るのは、生まれて初めてだ」


 寧丸は桐杏の顔に感動をおぼえている。
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