月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「桐杏は本当にふしぎだ。女性で高等能力者とは、いまだかつてない」


「えっ、それはどういう意味でしょうか?」


「高等能力は男子のみが生まれながらにして備えている能力なのだ。そして、父親から息子へと遺伝する。だから、高等能力者の男性に娘ができたとしても、その子には能力が遺伝しない」


「男子だけ――それは知りませんでした」


 桐杏は自分の親ならびに先祖からこの能力を受け継いだわけではないことも、フルハ島にかつて桐杏と同じ能力を持つ人間がいたという記録もないことを寧丸に話す。
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