月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
「寧丸さまは間違ってなどいません。間違っているのは、ここでの価値観です」
桐杏は寧丸の左手を包み込むように両手で取った。
「……あの、私が女性たちと直接会うことはできないでしょうか? 私はふたりと話してみたいです」
「夜伽者どうしで会うことは禁止されている。対面したことが露見すれば、厳しい罰が待っているのは間違いない。危険な行為だ。だが、策がないことはない」
寧丸はそこで立ち上がる。
「協力者がいれば、なんとかなるだろう」
桐杏に背を向け、窓の外の景色を見ながら言った。
「協力者――」
この屋敷に、果たしてそのような人物が存在するのかと、桐杏は思う。