月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「まあ、夜伽者は呼ばれて間もない。だから、猶予はあるだろう」


 寧丸は振り返って、桐杏の前に座る。今にも明るい内容を知らせるというような顔をしていた。


「それと、桐杏のことをようやく父に話せた。桐杏の能力を見てほしいと頼み込んだ。明日、父に会ってほしい」


 桐杏はそのことを考えると緊張する。皇帝との対面は恐怖でしかなかった。フルハ島にいた時に、畏怖羅はいかに残虐な行為をしてきたのかを、島の大人たちから度々聞かされてきたからだ。しかし、話を聞いただけで、この国の最高権力者を実際に見たことはない。寧丸の親ならうわさのとおりでもないのでは――という期待も生まれてくる。
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