月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


「さきほど父に言われたことは気にしないでほしい。あの人の頭の中にあるのはいつだって『自分が皇帝としてどうあるべきか』だから。白だと自分でもわかっていても黒と言ってしまうような、とても愚かで弱い人間なのだ。桐杏の曲を聴いて父も本当は感動していたと、私は信じている」


 桐杏は寧丸の言葉にはっとさせられた。皇帝という位についているのもあって、桐杏の目には畏怖羅は強者にしか見えない。だが、それは他人を表面上しか見ていないことのあらわれだ。そして、自分の父親をそこまで分析できている寧丸をすごいと感じる。


 桐杏はそこで、畏怖羅が高等能力者であると学び舎で教えられたことを思い出す。


「父親から息子へ高等能力が遺伝するということは、寧丸さまも高等能力者なのですか?」
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