月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
第四話 星がいっぱいの空
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桐杏がバロンに来てから、二週間が経っていた。その日、桐杏は朝食をとった後、家の前で雀たちを集めて、一緒に遊ぶ。桐杏の曲作りは、自分から旋律を考えるというより、なにかが降りてくるような感覚がないことには、すべてがはじまらない。今日はようやくその感覚があった。雀たちは桐杏の楽曲制作にも協力する。
「みんな、ありがとう。それじゃあ、またね」
桐杏はよい潮時を見て、雀たちに別れを告げた。けれども、一羽の雀だけはそこから離れようとしない。それだけでなく、桐杏についていこうとする。
「あれ? もしかして、あなたはあの時の雀?」
桐杏はその雀を手のひらにのせた。人間で動物学者でもない桐杏には野生の鳥の見分けがつかない。それでも、目の前の雀は玉座の間で桐杏の肩にとまった雀と同じだと確信する。