月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
翌朝。桐杏が熟睡していると、だれかが家の開き戸を激しく叩く。
「女、部屋を出ろ!」
桐杏が起き上がるより前に、役人が勝手に家の中へと入ってきた。
「――えっ?」
桐杏は状況がのみ込めない。まさか、寧丸との密会がばれたのか?と、寝起きのぼうっとした頭で思う。
「これから、お前の故郷の人間を処刑する」
「えっ!!」
役人が桐杏に告げたのは予想外のことだった。桐杏は頭が真っ白になる。自分ならともかく、ここから四百キロメートル離れたフルハ島の人間がなぜそんな事態に、と。