月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
桐杏は役人から経緯を聞かされる。フルハ島の多くの男たちが集結して、桐杏を奪還しに来たらしい。昨晩の騒ぎは、島民たちによるものだそうだ。島民たちはバロンに着いてから、敷地内の様子をこっそり観察し、桐杏の居場所を見つけようとした。しかし、桐杏がどこにいるのかがどうしてもわからなかったので、無関係そうな武器庫に火を放って、皇族や彼らに仕えている人間たちを撹乱させたという。だが、桐杏を見つける前に、すべての島民が身柄を拘束されてしまったとのこと。
桐杏は複数の役人らに広場まで連れていかれる。絶望と恐怖で、まともに立っていられず、馬車に乗せられた。昨日寧丸が自分の家を訪ねてこなかったのはこの一件があったからか、と考える。
広場には多くの役人が集まっていて、反逆者たちは処刑台に立たされていた。阿村や訓出、判大狗など、その数、二十名。すべての人がフルハ島の人間で、桐杏もよく見知った顔だ。