月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
「俺はお前がかわいそうに思うよ。自分の命よりも大事なものがあるということを知らずに生きるなんて」
訓出が畏怖羅に向かって言った。島民たちの間で、皇族は民を苦しめるという共通の認識があり、印象が悪い。訓出も国の最高権力者のことはいつも『畏怖羅』と呼び捨てにし、嫌っていた。それは死の間際でも変わらない。
「父上、処刑などやめてください。たかだか武器庫が燃えただけではありませんか。あなたのやっていることは、ただの大量虐殺です」
寧丸は全速力で広場までやって来ると、畏怖羅に抱きついて、彼を説得する。しかしながら、畏怖羅は聞く耳を持たない。