月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
朝の早いうちに、ふたりは行動を起こすことになった。まず、寧丸は役人に見つからないよう、敷地内の林まで、桐杏をこっそり荷車で運ぶ。その際、桐杏の体を藁で覆って隠した。
林に着くと、寧丸だけ一時的にその場から離れる。その間、桐杏は荷車の板の上でじっとしたままだ。その後、寧丸は風来念を連れて戻ってくる。桐杏は藁の中から姿を現した。
「桐杏!?」
風来念は桐杏がいたことに驚く。
「風来念さん、ごめんなさい。あなたのことを寧丸さまに話してしまいました」
桐杏は着物についた藁を払いながら言う。
「いや、いいんだ。勝手なことをしたのは俺だから――」
風来念は寧丸から罰を受けると思っているようだ。体が小刻みに震えている。