月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ
「えっ、つまり、ふたりは相思相愛なんだ。わあ、お似合い!」
寧丸は組織に反した行動を取っているというのに、風来念は役人らしくない態度で、大よろこびした。
「……」
桐杏は風来念の「相思相愛」という表現に照れる。桐杏も寧丸を好ましく思っているのは間違っていないが、寧丸に気持ちを伝えていないどころか、自分でもこの感情がなんなのかがまだはっきりとしていない。
「俺ね、寧丸皇子のお后は桐杏がいいと思っているんだ。他人には理解できないだろうけれど、世の中には俺のように、だれとだれが結ばれてほしいと考えるのが楽しくてしょうがない人間もいるのさ」
風来念はフルハ島の人間にはない価値観を持つ。桐杏にはそれが新鮮でよかった。