月色の部屋で、第三夜伽は皇子の愛を待つ


 夕方。寧丸は敷地内にいる主要な役人を広場に集めた。彼らに対して、自分がフルハ島へ出向くことを告げる。珍しい事態に、その場はざわついた。


「なぜフルハ島のような小さな島で女の高等能力者が生まれたのか、この目で明らかとしたい。人質として、女を連れていく。この女を盾にすれば、島民たちも私を攻撃したりはしないだろう」


「……」


 桐杏は寧丸のとなりでうつむき、不本意だ、というような顔をする。もちろん、打ち合わせどおりの演技だ。


「そして、付添人として風来念を連れていく」


「風来念ですか? そいつはまだここへ来たばかりで未熟な上に、われわれの中でも戦闘力が低いですよ?」


 最前列にいる役人が言った。
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