クールな秋くんと絆される咲菜ちゃん
「………」
「………」

「………」
「………」

それから秋鷹と仁朗は、ベランダで煙草を吸っていた。
咲菜は、キッチンで調理中。

せっかくなので、夕食を食べて帰ることになったからだ。

「アキ」

「ん?」

「咲菜、鈍感にもほどがあるよ」

「………そうだね」

「あんな風に言われたら、もうあれ以上何も言えないし…(笑)」

「同情はしてやる」

「………」
無言で秋鷹を見て、煙を吐く仁朗。

「何?
煙いよ」

「お前、ムカつくな、ほんと…」

「は?
俺は、最初から目障りだと思ってたよ」

「咲菜はなんで“こんな奴を”好きになったんだ?
見る目ねぇなぁ!」

「………」

「……なんだよ…!」

「うん、そうだね。
俺もそう思うよ」

「は?(笑)」

「なんで咲菜は、俺を選んだんだろ?」

「はい?」

「俺が仁朗だったら、同じことを思うから」

「………」

「最初は、ただうるさい女だって思ってたんだ。
咲菜はいつも輪の中心にいて人気者だったけど、俺には眩しすぎて鬱陶しいって。
でも咲菜が“見た目じゃなくて、中身を見るべき”って言ってたのを聞いて、ただの人気者なだけじゃなくて、ちゃんと周りを見てる真っ直ぐな人なんだってわかった。
それで気づいたんだ。
俺は、咲菜がウザいんじゃない。
咲菜の眩しさに“憧れてたんだ”って。
俺はいつも周りを避けてきたけど、咲菜は違う。
周りを全て受け入れて、温かく包み込む人。
だから人気者なんだって」

「そうだな(笑)」

「俺は、咲菜の全てが大好きだ」

「アキ…」

「咲菜の笑顔を守るためなら、何でも出来る。
だから仁朗……」

「ん?」

「“咲菜は何があっても渡せない”」

「………」

「………」

「……フッ…
わかってるよ(笑)
何よりも、咲菜は“最初から”アキしか見てないしな!」

仁朗を見据え言う秋鷹。
仁朗は、クスッと笑って秋鷹の肩を叩いた。


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