クールな秋くんと絆される咲菜ちゃん
会場に向かう途中。

「……っ…あっ…!!?」
慣れない草履と秋鷹に見惚れて、ちょっとした段差に躓く咲菜。

「……っと…あぶなっ…!!!?」

「……っ…
あ…ありがとう…」

秋鷹が咄嗟に支えてくれ、抱きつく咲菜。

「大丈夫!?」

「う、うん…」

「ゆっくりで良いから」
咲菜の腰を支えるように抱いて言った、秋鷹。
そんな秋鷹に、咲菜はフフ…ッと微笑んだ。

「ん?」

「なんか、幸せ!」
そして、嬉しそうに笑う。

「は?
コケそうになったのに?」

「だって、コケそうになっても秋くんが支えてくれるでしょ?
秋くんがいつも傍にいてくれるから…!幸せ!」

「でも、気をつけなきゃ」

「あ、うん(笑)おっしゃる通りです…(笑)」

会場に入り、ちょうど式が始まる。
そんな中咲菜は、やっぱりここでも隣に座る秋鷹ばかり見つめていた。

すると、反対側の隣に座っている小百合が「ちょっと!アキじゃなくて、前を見な!」と耳打ちされる。

「あ…(笑)」

恥ずかしそうに笑う咲菜を見ながら、小百合は(高校ん時も、そうだったよなぁ…)と思い出していた。


高校生の時。
秋鷹と交際し始めてから、咲菜はいつも秋鷹にくっついていた。

授業中も秋鷹ばかりを見るので、教師に何度も注意されていたほどだ。

そして秋鷹も、困ったように咲菜に諭していた。

『咲菜、ちゃんと授業に取り組まないと!
またテストで赤点とるよ?』

『その時は、秋くんに家庭教師してもらう!』

『………』

『え?ダメ?』

『家庭教師するのは構わない。
でも咲菜。
家で勉強教えてても、俺ばっか見て全然取り組まないじゃん』

『え…あ…』

そんな話をしていたのを思い出す、小百合。
そして、フフ…と噴き出してこっそり笑っていた。


式が無事に終わり、会場を出た秋鷹達一行。

友人の一人が小百合に「小百合、さっき一人で笑ってたでしょ?なんかあった?」と聞いてきた。

「ん?
ちょっと、高校ん時のこと思い出して……(笑)」

「高校?」
「どんな?」

少し前を歩いている秋鷹と咲菜を見ながら、小百合が微笑む。
「咲菜、アキと付き合い始めてからずーっとくっついてたでしょ?」

「あー(笑)」
「そうだったね!」
「それで、東海林くんに言われてたよね(笑)」

「あー(笑)
“次のテストで赤点取ったら、しばらく距離置く”ってでしょ?」

「そうそう!」

「咲菜、落ち込んでたよね〜(笑)」

「…………まぁ…それで、咲菜も火がついたみたいに勉強して、期末テスト学年3位になったんだけど…!」

小百合がそう言って、友人達とクスクス笑い合っていた。


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