クールな秋くんと絆される咲菜ちゃん
「「いただきます!」」
咲菜が作った夕食を仲良く食べ始める、二人。

「照り焼きチキン、どう?」
咲菜が、隣で黙々と食べる秋鷹の顔を窺う。

「うん、美味しいよ」
微笑む秋鷹。

「良かった!」

「あ」

「ん?」

「隼世に、これ貰った」
青神のイベントのチケットを二枚見せる、秋鷹。

「ん?
…………え……」
(こ、これは……!!!)

ゆっくり箸を置き、恐る恐るチケットを受け取る咲菜。

「青神!!?
凄い!!
行けるの!!?」

「うん。
今日、手伝ったお礼だってさ」

「嘘……夢みたい…!!」

「今度行こうね」

「うん!行く!!
ありがとう!
あ、でも、良いのかな?
隼世さんは行かないのかな?」

「良いみたいだよ」
(“青神よりも”彼女の方が大事だもんな)

「フフ…フフフ…」
いつも笑顔の咲菜が、もっと笑顔になっている。

それを見ながら、秋鷹もふわりと微笑んだ。



『――――するよ、手伝い』

秋鷹は、会社での隼世との会話を思い出していた。

『良いの?』

『その代わり、そのチケット…』

『もちろん、譲るよ!
彼女あんま興味ないみたいだし、俺は今回青神よりも彼女を落とす方が大事だしな!』

『じゃあ、貸して。
少しでも早く終わらせるから』

『あ、あぁ…
でも、アキのそれが終わってからで良いよ?
それまでは俺もできる限り終わらせるし』

『良いから!』

『………』

『何?』

『アキって、そこまで熱狂的青神ファンだった?』

『俺じゃない。
咲菜だよ』

『あ、咲菜ちゃんか!』

『リョウの大ファンなんだ』

『へぇ~!俺と一緒じゃん!』

『………』

『ん?なんだよ、なんで睨むんだよ!』

『………別に…』


秋鷹は我に返り、咲菜の頬に触れ始めた。

「ん?秋くん?」

「咲菜、キスしたい」

「へ?
待って、ご飯食べてからね!」

「じゃあ、早く食べてよ」

「え?う、うん」
(え?え?なんで急に不機嫌になったの?)

咲菜は、不思議そうに首を傾げながら食事に意識を向けた。


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