ずっと片思いしていたエリート外科医の溺愛は妄想と違いすぎました。
「なっ……結婚?!」

 なんでいきなり求婚されているのか。勿論ずっと恋焦がれてきた相手だ、嬉しくないわけがない。だがあまりにも予想外過ぎて理解が追い付かない。

「結婚するのが嫌なら、フリだけでもいい。とにかく君には俺の妻になってほしいんだよ」
「あっそのっいきなり、なんで私?! いやその……」

 あなたの事は好きですが。と言う言葉を吐き出す事は出来なかった。
 秀介は笑顔のまま、メリットもある。と切り出してくる。

「居酒屋で話してくれたじゃん? 仕事クビになって衣食住がどうのこうのって」
「ああ……覚えていてくれていたのですね……」
「それに俺は君がいいんだ。だってあんな本作ってまでさ」
「なっ……!」

 これはまずい、と咲良はすぐに察知した。

「いいよね? 俺としては本当に結婚するのと、あくまで契約と言う形に済ませるの……どちらでもいい」
(へ? えっと、最近はやりの契約結婚ってやつ?! うっそ、春日先輩とそんな事になるなんて……!)

 咲良の脳内で妄想が始まりだしては止まらない。毎日彼の為に健康的な和朝食とお弁当を作り、家の掃除をしたり、デートをしたり、そしてベッドを共にする。
 ベッドを共にする地点まで妄想した途端、先ほどの破廉恥極まりない行為が走馬灯のように思い起こされていった。

「わぁああぁっ?!」
「なっ急に大声出してどうしたんだよ」
「あっごめんなさい! 急に……なんかあれこれ、思い出しちゃって……」
「いいよ。何度だって抱いてやる。抱き潰しても足りないから」

< 15 / 35 >

この作品をシェア

pagetop