ずっと片思いしていたエリート外科医の溺愛は妄想と違いすぎました。

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　完成した朝食兼昼食はかなりの豪華な品数になった。秀介が食材をデリバリーで購入してくれたのとてきぱき手伝ってくれたおかげで、想定以上のメニューとなる。
　
（すっごい、レストランみたいな感じだ……！）

　茹でた鶏むね肉にはポン酢とネギのたれを添えて頂く。ほかほかのご飯は見るからに美味しそうなものだ。人参や大根、さつまいもなど余った野菜を刻んで入れたお味噌汁も味わい深い。
　いただきます！　と揃って手を合わせた時、咲良はちらりと秀介の顔を見る。

「どうした？」
「あっいや、ちゃんと挨拶するんだなって思いまして」
「親からそう言われてきたから。中崎さんもそうだよね」

　私もそうです……と遠慮気味に笑うと、秀介の口角が緩む。

「俺と同じだな」
「！　はい、確かに……！」

　秀介との共通点を見つけた事に、咲良の心臓が弾んだ。すると秀介はうんうん。と首を何度か縦に振る。

「じゃあさ、唐突だけど俺と結婚してくれない？」
「はい?!」

　咲良が飲み込んだご飯の粒が気管に入りかけてしまい、むせこんでしまった。慌てた秀介が背中を軽くたたいて落ち着かせる。
　しかし、突如として放たれた言葉に驚きは止まる気配を見せない。咲良は何度も秀介の言葉を脳内で繰り返すが、それが更に驚きへと繋がる。