ずっと片思いしていたエリート外科医の溺愛は妄想と違いすぎました。
「寂しいよ、先輩……」

 あふれ出て来る涙を抑えきれないまま時間が過ぎ、時計が23時を指そうとしていた時。咲良のスマホが鳴った。
 画面には待ち続けていた人物の名前が大きく表示されている。

「咲良ごめん! 今帰るからもう少し待ってて!」
「はい、はい! 先輩!」

 ずっと聞きたかった秀介の声を聴いた途端、胸の中は嬉しさでいっぱいになる。蒸しかぼちゃを冷蔵庫から取り出して電子レンジで温めつつ、夕食である高野豆腐の肉詰めや野菜たっぷりの味噌汁などを再加熱する。
 
「咲良!」

 ご飯をよそったのと秀介がリビングに飛び込んできたのがほぼ同時だった。

「せ、先輩……」
「っごめん! 緊急オペが入って遅くなっちまった。本当にごめん!」

 がばっと左横から抱き着かれ、思わず持っていたお茶碗を落としそうになる。何とかカウンターの上に置いてから彼の抱擁をしっかりと受け止めた。

「せ、先輩……」
「目、腫れてる。もしかして泣いてた?」

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