ずっと片思いしていたエリート外科医の溺愛は妄想と違いすぎました。
医局は大学病院内の関係者以外立ち入り禁止エリアの中にある場所だ。そんな所に自分が立ち入ってもいいのかと咲良は躊躇するが、秀介は肩を抱き寄せたまま歩き出す。
「本当にいいんですか?! そんな……」
「俺の家族なんだ。言いに決まってる。教授の事だからケーキを出してお茶でもしようかって誘ってくるかもしれないな」
爽やかに笑う秀介の顔は、咲良からはまぶしく映る。結局彼に負けた形で医局へと足を運んだのだった。
医局があるフロアに繋がる扉はオートロックで施錠されており、右側のパネルへ秀介がカードキーを当てると電子音と共にゆっくりと開かれていく。
「わあ……」
診療科ごとにガラス張りの壁で区切られた空間が目に飛び込んできた。どこか近未来を思わせる景色に咲良の胸は高鳴っていく。
「消化器外科の医局はこっち」
正面通路の右真ん中付近にある空間へ案内される。秀介がドアを開くと、3名ほどの白衣姿の医者達が秀介らを出迎えた。
「春日くん達おかえりなさい」
茶髪ボブヘアで咲良よりも背が低い可愛らしい中年女性が歩み寄って来た。
「教授、ただいまもどりました」
(えっこの人が?!)
「いえいえ。お隣にいらっしゃるのが奥様の咲良さんね? 初めまして。教授の佐川佳苗と申します。あなたの事は春日くんから存じております」
おっとりとした高い声は、よくアニメで聞くような声だ。緊張を隠し切れないまま挨拶を返すと品のある笑みが返って来る。
「聞いていた通りの恥ずかしがり屋さんね……本当に可愛らしいですね」
「ひゃっ?!」
「咲良、教授はこんな感じの方だ。普通にありがとうございますって言っていいぞ」
「あ、ありがとう、ございます……?」
くすくすと笑う佳苗は、白衣のポケットに手を突っ込むと、何やら咲良に手渡してきた。
「本当にいいんですか?! そんな……」
「俺の家族なんだ。言いに決まってる。教授の事だからケーキを出してお茶でもしようかって誘ってくるかもしれないな」
爽やかに笑う秀介の顔は、咲良からはまぶしく映る。結局彼に負けた形で医局へと足を運んだのだった。
医局があるフロアに繋がる扉はオートロックで施錠されており、右側のパネルへ秀介がカードキーを当てると電子音と共にゆっくりと開かれていく。
「わあ……」
診療科ごとにガラス張りの壁で区切られた空間が目に飛び込んできた。どこか近未来を思わせる景色に咲良の胸は高鳴っていく。
「消化器外科の医局はこっち」
正面通路の右真ん中付近にある空間へ案内される。秀介がドアを開くと、3名ほどの白衣姿の医者達が秀介らを出迎えた。
「春日くん達おかえりなさい」
茶髪ボブヘアで咲良よりも背が低い可愛らしい中年女性が歩み寄って来た。
「教授、ただいまもどりました」
(えっこの人が?!)
「いえいえ。お隣にいらっしゃるのが奥様の咲良さんね? 初めまして。教授の佐川佳苗と申します。あなたの事は春日くんから存じております」
おっとりとした高い声は、よくアニメで聞くような声だ。緊張を隠し切れないまま挨拶を返すと品のある笑みが返って来る。
「聞いていた通りの恥ずかしがり屋さんね……本当に可愛らしいですね」
「ひゃっ?!」
「咲良、教授はこんな感じの方だ。普通にありがとうございますって言っていいぞ」
「あ、ありがとう、ございます……?」
くすくすと笑う佳苗は、白衣のポケットに手を突っ込むと、何やら咲良に手渡してきた。