激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する
帝都・クリュサロスの郊外にある瑠璃宮には、
各国から集められた
選りすぐりの令嬢たちが緊張した面持ちで
列を成していた。

彼女たちは、まもなく行われる――
「皇帝ビンセントの花嫁・第一次選抜審査」のため、
朝から装いも姿勢も完璧に仕上げている。

「ここで評価されれば、皇后の座に一歩近づくのね……!」
「帝国史は完璧に暗記したわ。」
「舞踏は師から直々に叩き込まれたの。落ちる気がしない。」

そんな熱気が満ちる一方で、
ひとりだけ空気をぶち壊している女がいた。
アズールティア王家第四王女・ルチア。

丹精な顔立ちに長い栗色の髪。
四姉妹で最も勝ち気な性格の彼女は、
候補者たちの緊張を完全に無視して、
椅子に座り脚を組んだまま欠伸をしていた。
(さっさと失格になって、帰りたい。)
< 10 / 111 >

この作品をシェア

pagetop