激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する
姉ファティマの姿を目にした瞬間。
威厳ある皇帝という
その仮面が――
ガラガラガッシャーーン!!
と音を立てて崩れ落ちた。
結婚式・晩餐の席では1人、
隅でお通夜状態。
そして挙げ句の果てに
ドラゴニア帝国への帰国を拒否しだした。
「いやだ!!帰りたくない!!!」
「姉上を置いて帰れと言うのか!?無理だ!!!」
「私は姉上の幸せをきちんとこの目で見届けたいのだ!!!」
港に響きわたる皇帝の声。
皇帝のもう一人の姉である
ラジワ(ソラリス王国王太子妃)は
すっかり呆れ果てて、
そそくさと夫と二人で帰国の途についた。
一方で、
ビンセントの家臣たちは青ざめていた。
「(皇帝を引きずり込むわけにもいかん……どうするのだ……)」
ファティマもデクランも苦笑い。
「皇帝陛下……本当に帰ってください……」
そんな混沌の中。
ズンズンと足音を響かせ、ルチアが前に出た。
「ちょっとアンタ。」
ツカツカとビンセントに歩み寄る。
「いい年こいて駄々こねるのやめなさい。
ここで一番迷惑してるの、誰か分かってる?」
「な、何だい君は。失礼な女だね。僕に口を出す権利があると思っているのかい?」
「あるに決まってるでしょ。この国の人間としてね。
皇帝だからって甘やかされて当然と思ってるの?
そんなだからいつまでたっても――」
ビシッ!
「恋人のひとりもできないのよ!」
(ルチアはビンセントに恋人がいるかどうかは知らない。)
威厳ある皇帝という
その仮面が――
ガラガラガッシャーーン!!
と音を立てて崩れ落ちた。
結婚式・晩餐の席では1人、
隅でお通夜状態。
そして挙げ句の果てに
ドラゴニア帝国への帰国を拒否しだした。
「いやだ!!帰りたくない!!!」
「姉上を置いて帰れと言うのか!?無理だ!!!」
「私は姉上の幸せをきちんとこの目で見届けたいのだ!!!」
港に響きわたる皇帝の声。
皇帝のもう一人の姉である
ラジワ(ソラリス王国王太子妃)は
すっかり呆れ果てて、
そそくさと夫と二人で帰国の途についた。
一方で、
ビンセントの家臣たちは青ざめていた。
「(皇帝を引きずり込むわけにもいかん……どうするのだ……)」
ファティマもデクランも苦笑い。
「皇帝陛下……本当に帰ってください……」
そんな混沌の中。
ズンズンと足音を響かせ、ルチアが前に出た。
「ちょっとアンタ。」
ツカツカとビンセントに歩み寄る。
「いい年こいて駄々こねるのやめなさい。
ここで一番迷惑してるの、誰か分かってる?」
「な、何だい君は。失礼な女だね。僕に口を出す権利があると思っているのかい?」
「あるに決まってるでしょ。この国の人間としてね。
皇帝だからって甘やかされて当然と思ってるの?
そんなだからいつまでたっても――」
ビシッ!
「恋人のひとりもできないのよ!」
(ルチアはビンセントに恋人がいるかどうかは知らない。)