激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する
ルチアは荷物を半分詰めた状態で、
「次の審査が始まる前にさっさと帰ろう」と
呑気に腰に手を当てていた。
いよいよ候補者が少なくなってくると、
辞退するのも大変になるはずだ。
そこへ――
ドンッ!!!
重厚な扉が、
ほぼ蹴破る勢いで開く。
「ルチア!!!」
飛び込んできたのは
皇帝ビンセント本人である。
「……うわ、ビンセント。扉、死ぬわよ。というか、ノックもせずに女性の部屋に入るなんて失礼よ。」
「お前……帰るつもりだったのか。」
「“お前”呼びもやめろって言ったわよね?
そして……そうよ、帰るつもりよ。他に用事もないし。」
淡々と言うルチアに
ビンセントの顔が、はっきりと歪んだ。
「…………用事なら、ある。」
「え?」
ビンセントは数歩近づき、
距離を取るルチアを逃がさぬように
壁際へ追い詰めた。
いつもの威圧ではなく――
苦しげな、焦ったような声音で。
「帰るな。
……まだ、お前と話したい。」
「……っ」
一瞬、胸が跳ねた。
ルチアは自分の反応に慌てて、
表情を引き締める。
「話すことなんて、もう――」
「ある!!!
たくさんある!!
昨日も……その前も……俺は、気づくとお前を探していた。」
「次の審査が始まる前にさっさと帰ろう」と
呑気に腰に手を当てていた。
いよいよ候補者が少なくなってくると、
辞退するのも大変になるはずだ。
そこへ――
ドンッ!!!
重厚な扉が、
ほぼ蹴破る勢いで開く。
「ルチア!!!」
飛び込んできたのは
皇帝ビンセント本人である。
「……うわ、ビンセント。扉、死ぬわよ。というか、ノックもせずに女性の部屋に入るなんて失礼よ。」
「お前……帰るつもりだったのか。」
「“お前”呼びもやめろって言ったわよね?
そして……そうよ、帰るつもりよ。他に用事もないし。」
淡々と言うルチアに
ビンセントの顔が、はっきりと歪んだ。
「…………用事なら、ある。」
「え?」
ビンセントは数歩近づき、
距離を取るルチアを逃がさぬように
壁際へ追い詰めた。
いつもの威圧ではなく――
苦しげな、焦ったような声音で。
「帰るな。
……まだ、お前と話したい。」
「……っ」
一瞬、胸が跳ねた。
ルチアは自分の反応に慌てて、
表情を引き締める。
「話すことなんて、もう――」
「ある!!!
たくさんある!!
昨日も……その前も……俺は、気づくとお前を探していた。」