激重シスコン皇帝は、勝ち気な姫に陥落する
「あ、そうそう。今日の予定、全部キャンセルした。」
唐突に告げるビンセント。
ルチアも一気に現実に引き戻される。

「は……?皇帝の仕事は?」

「知らない。側近がなんとかする。」

「最低!!」

「妻と過ごす初日だ。俺にとっては、それより大事なことはない。」

言いながらルチアの手を取り、
指を絡め、
手の甲にキスを落とす。

「これからは……そういうことはちゃんと言うよ。
君を愛してる。だから、側にいさせてくれ。」

その告白は、
初夜よりもずっと深く、胸に響いた。

ルチアは照れながらも微笑む。

「……うん。わかった。」

そして、
ビンセントの腕の中に
自分から身を寄せる。
その瞬間、
彼は心底幸せそうに目を細めた。

「ルチア……ずっと離さないから。」

恋人から妻へ。
2人の関係は、
もう誰にも壊せないほど強く、
美しく結ばれていた。

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