気まぐれヒーロー3
「それでも俺らは、あんま練習に参加できんくて。そうこうしてるうちに、バスケ部は活動停止になってもーたし。せやから経験者いうほどのもんやないねん、俺らは。でもバスケは好きやからな。辞めてからも、週一とか月二くらいで、こうやって集まって遊びでやっとるだけ」
バスケットボールを追って、コートの端から端まで駆け回る同年代の少年たちを眺めながら話すケイジくんは、いつになく穏やかな口調だった。
このコートは公共の場所で、こうしてバスケ好きが集まってストリートバスケをしたり、中高生のバスケ部の子が練習に来たりする場所なんだって教えてくれた。
じゃあ……今ここにいる黒鷹の少年たちも、きっとバスケが好きなんだ。
かっちゃんが来たのも、彼もバスケ部だったから。
今日、特別に集合したわけじゃない。
彼らはずっと前から、この自然の中にあるバスケットコートで、ただ純粋に汗を流してきたんだ。
“ヤバい”“危ない”“関わるな”“近寄るな”と避けられてきた彼らの、闇じゃない部分。
光の一面に、
青い風が吹く。
青空と白い雲と一緒に、清涼な風が私の心をそっと撫でていく。
「ま、それはそーとして。ももちゃん」
「はい?」
ケイジくんは長い足を組むと、その瞳にまた妖しい光を宿し、私を射抜いた。
胸の奥が、その眼差しに微かにざわめく。
ハイジは横で、だんまりのまま。
「明日、ハイジとデートなんやろ?」
そんな爆弾みたいなセリフを届けてくるケイジくんの唇から、目が離せなくて。
「でえと……デート……ハイジとデート!?わ、忘れてたっ!!」
雄叫びをあげたのは、数秒後。