気まぐれヒーロー3
「はあっ!?」
驚愕の声が、私とハイジでぴったりハモった。
呆気に取られたまま固まっている私の目の前には、余裕綽々そのもののケイジくんの顔がある。
近い……けど、今は距離よりも彼の口から出たセリフの方が問題。
「……冗談だろ。お前、明日は他の女と会うって言ってたじゃねーか」
私を挟む形で、ハイジがケイジくんに声をかける。
ついでに、私の肩に置かれていた赤髪の彼の手を、さりげなく払い落として。
「大した用事やないよ。ももちゃんとデートする方がおもろそうやん」
少し棘を含んだハイジの声にも、ケイジくんは飄々と答える。
「今さら……何言ってんだよ」
「なんで?別に俺でもええやん。明日はももちゃんを“エエ女”にするためのデートなんやろ?それやったら、ハイジやなくても誰でもええんちゃうん」
「…………」
私はどっちを見ればいいのかわからなくなって、ただ視線を落としたまま二人の会話を聞いていた。
そのあいだにも、押し黙っているハイジの空気だけが、ゆっくり温度を下げていく。
苛立ち始めているのが伝わってくる。
「それに──」
ピリピリムードのハイジをまったく気にした様子もなく、ケイジくんは続けた。
「お前より俺の方が、ももちゃんを“女”にできる自信あるしな」