気まぐれヒーロー3


私、別に『尊敬』を横文字で言われるほどのこと、した覚えないのに。

自分でも、彼らがそこまでしてくれる理由はわからないのに。

そして……彼らが誰かのために動くこと。
それも暴力じゃなく、堂々とスポーツで勝負するなんてひと昔前じゃ考えられなかった行動が、「奇跡」みたいに言われるたびに──

待ち受けている未来が、現実味を伴って進む足を鈍らせる。

不安がないっていえば嘘になるし、正直怖いって気持ちの方が大きい。



「かっちゃん……私、本当は心配で──」



沈みかけていた気分のまま、俯いた顔をかっちゃんの方へ向けた……ら。



「やっべー!!カッケー!!えぐ、ナイスショット!!ベスト角度!!」



……かっちゃんは。
どこの女子高生だってくらい弾けるテンションで、ハイジのプレイを連写していた。



「次、動画動画!!」



何枚も撮ったあと、そのまま動画モードに切り替えている。


……かっちゃん。

君は何をしているんだい?



「うわっ、こっちはケイジくんwithたこ焼きボールじゃん!!レアショットきた~!!」



撮影対象がハイジからケイジくんに移ると、かっちゃんのテンションはさらに加速。

生温かく彼を見守る私の横で、シャッター音が鳴り続けていた。

一体彼に何から聞けばいいのか、言葉が出てこない。

その間にもかっちゃんはハイジとケイジくんのツーショットを撮りまくり、しまいにはどこから出したのか謎の“ガチなカメラ”に持ち替え、プロみたいな勢いで激写し始めていた。


「よし、一旦ここまでにしとこ~。ダンク決めたら、それもコレクションに……」


数分後。
ようやくカメラを下ろしたかっちゃんは、にやりとほくそ笑んだ。


私はごくりと唾を飲み込む。


なんだろうなんだろう!?

この、見てはいけないものを見てしまった感は、何なんだろう!?



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