総長は姫を一途に溺愛する。
 放課後、今日は黒薔薇組の集会に参加する日。
 教室の外で待っていたメンバーたちの顔を見ると、笑顔が弾けている。
 私も少しドキドキしながら、蓮先輩の隣に立つ。

「おお、ひまり姫! 今日も可愛いな!」
「蓮先輩のそばで輝いてるね!」

 メンバーたちの声に、頬が赤くなる。
 つい嬉しくなって、にこっと微笑むと、蓮先輩の表情が一瞬固まる。

 その後、集会が始まると、メンバーたちは私を囲んでからかうようにちょっかいを出してくる。

「ひまり姫、今日の服も似合ってる!」
「蓮先輩、俺たちに任せてひまり姫と遊ぼうぜ!」

 そのたびに蓮先輩は眉をひそめ、私をぎゅっと抱き寄せる。

「……ひまりは俺のものだ、誰にも渡さない」

 低く落ち着いた声。
 その言葉に、胸の奥がぎゅっと熱くなる。
 私は思わず体を蓮先輩に預け、頬を胸に押し当てる。

「蓮先輩……」

 小さく囁くと、彼はにやりと笑い、髪をそっと撫でる。
 でも目は少し鋭く、独占欲が滲んでいる。



 集会の後半、メンバーの一人が冗談混じりに私に触れようとすると、蓮先輩はすぐさま体を前に出す。

「触れるな、俺の姫だ」

 その声には怒りと独占欲が入り混じり、廊下に響く。
 メンバーたちは一瞬ひるみ、からかいをやめる。
 私は自然と蓮先輩の腕の中に顔を埋め、安心感に包まれる。

「……ありがとう、蓮先輩」

 耳元で囁くと、彼は唇を私の髪にそっと押し当てて、低くささやく。

「俺が守る、ひまり。絶対に誰にも渡さない」

 その言葉に、心の奥が熱くなり、自然と頬が赤くなる。
 集会の騒がしさの中でも、私と蓮先輩だけの世界が確かにある――そんな実感が胸に広がる。



 集会後、廊下を二人で歩きながら、蓮先輩は手を握ったまま耳元でささやく。

「今日のこと、忘れるなよ。ひまりは俺の姫だ」

 私は自然に体を寄せ、頬を彼の胸に押し当てる。

「はい……ずっと、蓮先輩のそばにいます」

 春の風が二人を包む中、私は改めて実感する。
 ――誰が何を言っても、私は蓮先輩の姫で、蓮先輩は私のすべて。
 黒薔薇組の中でも、学校でも、家でも、二人だけの甘い日常がこれからも続いていく――。
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