総長は姫を一途に溺愛する。
放課後、蓮先輩の家に向かう道。
 胸の奥が高鳴って、歩く足取りが少し速くなる。
 今日は両親が外出中で、二人だけの夜。

「……ひまり、今日はずっと俺のそばだ」

 蓮先輩が低く、甘く、でも少し独占欲の混じった声でささやく。
 その言葉に、胸がぎゅっと熱くなる。
 思わず手を握り返すと、蓮先輩はにやりと笑い、腕を私の腰に回す。



 家に入ると、部屋は少し暗めで、でも温かい光が灯っている。
 ソファに腰を下ろすと、蓮先輩は隣にぴったりと座り、自然と肩を抱いてくる。

「……ひまり、ここにいると、誰にも渡したくなくなる」

 耳元でささやかれる言葉に、心臓が早鐘のように打つ。
 体が熱くなるのを感じながら、私は小さく頷く。

「……蓮先輩……」

 その声に反応するように、蓮先輩は手を伸ばして私の頬に触れる。
 その指先の温もりだけで、思わず目を閉じてしまう。
 そして、唇がそっと重なる。



 キスは深く、ゆっくりで、胸の奥までじんわり熱くなる。
 蓮先輩の腕に抱きしめられながら、私は甘く囁く。

「蓮先輩……誰にも渡さないで……」

 その言葉に、蓮先輩の目が一瞬鋭くなる。
 でもすぐに笑みを浮かべ、私を強く抱き寄せる。

「……わかってる。俺だけの姫だ。絶対に、誰にも渡さない」

 胸に顔を押し当てると、息がぴったり重なり、体が温かさで満たされる。
 そのままソファで二人だけの時間が静かに流れ、夜が深まるにつれて甘く濃密な空気に包まれる。



 夜、ベッドに入ると、蓮先輩はすぐ隣に腰を下ろし、私を抱きしめる。
 手を握り、耳元で低くささやく。

「……ひまり、目を離したら絶対に逃げるなよ。俺の姫だ」

 体を彼に預けると、自然と安心感に包まれる。
 ヤンデレ気味の独占欲も、甘い愛情も、全てが愛されている証。

「はい……ずっと、蓮先輩のそばにいます」

 その返事に、蓮先輩は満足そうに微笑み、髪を撫でながら唇を私の額に軽く重ねる。

 ――夜の静けさの中、私は改めて実感する。
 どこにいても、誰が何をしても、私は蓮先輩のもの。
 蓮先輩もまた、私のすべてを守り、独占してくれる――。
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