ロリータ趣味を秘密にする代わりに、学校一イケメンの彼女になりました。
休日。私は緊張しながら、大好きなロリータワンピースを着て鏡の前に立っていた。ピンクのリボンとフリル、少し光沢のある生地……普段は親友や家族にしか見せない、私だけの特別な姿。

(今日……湊くんに見られるなんて……心臓どうにかなりそう……)

ドキドキしながら玄関を出ると、待ち合わせ場所には湊がすでに立っていた。

「美羽、かわいい……」

一言つぶやかれただけで、私は顔が真っ赤になる。思わず手で口元を覆うと、湊は少し意地悪そうに笑った。

「ちょっと恥ずかしがりすぎだろ。せっかくのデートなんだから、もう少し自然にして」

「そ、そうだけど……だって……!」

言い訳はすぐに止まってしまう。湊の視線は優しくて、でも少し意地悪で、胸の奥がきゅっと熱くなる。

二人で歩き出すと、街行く人たちの視線が私の服に向く。フリルやリボンが目立つせいか、少し恥ずかしい。でも、湊の隣にいると不思議と安心感がある。

「美羽、手、つないでいい?」

その一言に、私は一瞬ためらう。手をつなぐのはまだ恥ずかしいけれど、胸が高鳴ってどうしても断れない。

「う、うん……」

手をつなぐと、湊の手は大きくて温かく、心臓が跳ねる。歩くたびに少しだけ手が触れるたび、顔が熱くなって笑いそうになる。

カフェで並んで座ると、湊は私の好みを覚えてくれていて、私の好きなケーキを注文してくれていた。

「これ、美羽が好きだって言ってたやつ」

「……ありがとう、湊くん……」

目が合うだけで胸がぎゅっとなる。小さな空間で、二人だけの時間が流れる。普段は恥ずかしくて言えないけれど、今日は特別。湊と一緒にいるだけで、甘くて幸せな気持ちでいっぱいだった。

デートが終わる頃、湊はそっと私の肩に手を置く。

「美羽、今日も俺の彼女でいてくれてありがとう」

「……うん、こちらこそ……」

小さく答えた私の心は、甘くてドキドキする初デートの余韻でいっぱいだった。秘密も恋も、二人の距離がぐっと近づいた――そんな初デートだった
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