不器用なきみは、涙色の明日を描いていく。
 そのあと、私は湊と一緒に帰ることになった。

 二人で横に並んで廊下を歩いていたそのとき、空き教室のドアの隙間から、誰かの笑い声が漏れてきた。

 誰かいるのかな? 息をひそめて、こっそり隙間から様子をのぞいてみる。

 すると、同じクラスの女の子が3人集まっておしゃべりをしている光景が見えた。

 一人は佐伯さん、あとの二人は佐伯さんと同じグループの女の子たちだ。

「璃子、今日の昼休み、大変そうだったよね」

「そーそー。あの浅田さんに困らせられてたじゃん?」

「ただでさえ実行委員の仕事があって忙しいのにねえ」

 これ、完全に私の陰口で盛り上がってるよね……。

 佐伯さんに迷惑をかけてしまった私が悪いから、愚痴っちゃっても仕方ないとは思う。

 でも、実際に耳にしてしまうと――、握りしめた拳がぶるぶると震え出して、目からみるみる涙があふれてくる。

「遥、大丈夫か?」

 湊が心配そうに私の顔をのぞき込んだそのとき。

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