ミステリアスなドSくん!
同時に當野さんの纏う空気がズンッと重くなる。


當野さんは、二人に一歩詰め寄った。




「だから早くどっか行ってくんない?」




當野さんの声は最初に聞いた時とはほとんど変わらないのに、怒りがこもっていた。


そのまま、二人の肩を引き寄せて、耳元でささやいた。




「じゃないとどーなるか、わかってるよね?」




と。


それは、守られてる私でさえ怖いと思うほどの脅しだった。


二人は完全におびえて全速力で逃げて行った。


當野さんは、ゆるゆると手を振っていた。 


いや、さっきまでめっちゃ怖かったじゃん!?


すごい変わりよう……。


っそんなことより、終わったの?




「あ、あのぅ……。」


「あ、もう大丈夫。しばらくは手を出してこないはずだよ。」




その言葉を聞いた瞬間、足の力が抜けてフニャッと座り込んじゃった。


よ、よかったぁぁぁぁ!!!


當野さんがいてくれてよかったぁぁ!!


當野さんが目の前にしゃがんでくれる。




「だいじょーぶ?どっかケガしてた?」


「だ、大丈夫です!ケガはないです!」




お礼言わなきゃと思って顔を上げると。





「っ、え?」


「ん?どーしたの?一葉さん。」




當野…"くん"?


當野くんとはクラスメイトで、あんまり話したことがない。


けど、隠れイケメンだってちょっと騒がれてたから覚えてる。


ズバッと顔を下げる。



ん????



"當野さん"って、"當野くん"だったの??


今まで、同姓同名の別人かと思ってた。


いやでも、あのいつも大人しい當野くんが至上最強の不良ってことになるよ!?


えっ、そんなことある……?


……いや、さすがに…………。




「……さん。…つばさん!一葉さん!!」


「わぁぁぁ!!!び、びっくりしたぁ!!」


「急に黙り込んでどーしたの。」


「えっ、えっと……。君、當野くん……?」


「は……?」




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