星が歌ってくれるなら ~ハープ奏者は愛をつまびく~
「毎日会ってるって」
「お隣さんだから、毎日のように顔を合わせますよ」
詩季は自分の頬に手を当て、記憶をさぐる。
確かに、彼は一言も彼女が恋人だなんて言っていなかった。
「僕は恋人も婚約者も妻も、ついでに愛人もいません」
絃斗は詩季の手をとった。
大きくて、温かい手だった。細い指がなめらかで、指先は硬かった。
「二日目に泊めてもらった日、詩季さんが隣の部屋で寝てるって思ったら眠れませんでした。もっとずっと一緒にいたいって思いました」
詩季は胸の奥がジンとした。
彼もまた同じ気持ちでいてくれたのだ。
「また僕に朝食を作ってくれますか?」
にこやかに言われて、詩季は顔を赤くしてうつむく。
「すごいこと言ってる自覚ある?」
大人の関係になりたいとも、結婚の申し込みとも言える言葉だ。
「え、あ、そんなつもりは!」
彼もまた顔を赤くした。
「だけど、そんなつもりがゼロってわけでもなくて……あの、なんていうか」
彼は恥ずかしそうにもじもじして、詩季の手をぎゅっと握った。
詩季はくすっと笑いをもらした。
いい年した大人がふたりして、なにを照れているんだろう。
「笑わないでください。僕だって勇気が必要だったんですよ。すごくどきどきしてるんですから」
「あんな大舞台をこなせるのに?」
「それとこれとは違います」
詩季はまたくすっと笑った。
「お隣さんだから、毎日のように顔を合わせますよ」
詩季は自分の頬に手を当て、記憶をさぐる。
確かに、彼は一言も彼女が恋人だなんて言っていなかった。
「僕は恋人も婚約者も妻も、ついでに愛人もいません」
絃斗は詩季の手をとった。
大きくて、温かい手だった。細い指がなめらかで、指先は硬かった。
「二日目に泊めてもらった日、詩季さんが隣の部屋で寝てるって思ったら眠れませんでした。もっとずっと一緒にいたいって思いました」
詩季は胸の奥がジンとした。
彼もまた同じ気持ちでいてくれたのだ。
「また僕に朝食を作ってくれますか?」
にこやかに言われて、詩季は顔を赤くしてうつむく。
「すごいこと言ってる自覚ある?」
大人の関係になりたいとも、結婚の申し込みとも言える言葉だ。
「え、あ、そんなつもりは!」
彼もまた顔を赤くした。
「だけど、そんなつもりがゼロってわけでもなくて……あの、なんていうか」
彼は恥ずかしそうにもじもじして、詩季の手をぎゅっと握った。
詩季はくすっと笑いをもらした。
いい年した大人がふたりして、なにを照れているんだろう。
「笑わないでください。僕だって勇気が必要だったんですよ。すごくどきどきしてるんですから」
「あんな大舞台をこなせるのに?」
「それとこれとは違います」
詩季はまたくすっと笑った。