あなたとは合わないと思っていたけれど


 義父の誕生会の翌日の日曜日。武琉は用事があると、昼過ぎから外出をした。

 香澄は早織の件を相談するために、菜恵に電話をした。

「菜恵、今話せる?」

《大丈夫だよ》

 彼女は今朝長期フライトから帰って来たそうで、自宅でゆっくり休養を取っているところだと言った

「昨日、義父のパーティーが有ったんだけどね……」

 誕生会での早織の発言について話すと、菜恵は驚愕の声を上げた。

《蛯名さんって、そんなキツイ子だったんだ! 何度か仕事で一緒になったけど気付かなかったよ。ちょっとあざとい感じがするなと思ったことはあるけど》

「武琉さん関連にだけ、過激になるってことなのかな」

《恋愛が絡むと豹変する人はいるよね》

「菜恵は彼女と顔を合わす機会があるでしょ? もし様子がおかしかったら知らせて欲しいんだ。それと彼女が親しくしている同僚が居たら教えてほしい」

 香澄としてはもめ事を起こさず、できるだけ事前に回避したい。用心をするためには情報が必要だ。

《分かった、気をつけて見ておくよ》

「ありがとう」

《ねえ……こんなことになっても離婚は考えないの?》

「え?」

《ほら、香澄って争いや厄介事が嫌いじゃない? 神経を張り詰めて用心するくらいなら、根本から切り捨てて安心したいんじゃないかと思って》
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