あなたとは合わないと思っていたけれど
「ごめん、俺がもっとはっきりした態度を取るべきだった。それに早織のきつい言葉で傷つけて悪かった」
「大丈夫。でも蛯名さんのことで武琉さんに謝らないでほしいな」

 まるで早織を庇っているように聞こえてしまうから。

「私もかなり嫉妬深いみたい」

 武琉が香澄をそっと抱きしめてきた。

「嫉妬するのは思ってくれているからだろ? すごくうれしいよ。でもこれからは辛い思いはさせないようにするから」

 温かな抱擁に香澄の心が少しずつ落ち着きを取り戻していく。不安や嫉妬が解けていくように素直な気持ちになった。

 武琉が香澄の頬を優しく撫でる。

「好きだよ。心から大切だと思ってる」
「私も……」

 武琉の顔を近づき、そっと触れるようなキスをされる。

 目を閉じて受け入れた香澄の心臓がうるさく音を立て始めた。

 武琉の口づけは何度も繰り返され、やがて激しさを増していく。

 頭の中に白い光が差し体から力が抜ける。香澄は思わず武琉の背中に腕を回して縋りついた。

 武琉の腕の力が増し、香澄をまるで離さないとでもいうように強く抱きしめる。

 お互いの服越しに熱を分かち合う。

 香澄の心臓は壊れてしまうのではないかと思うくらい、どきどきと乱れていた。呼吸が乱れ体が熱を持つ。

 しばらくすると武流が体をそっと離した。

 香澄はすっかり息が上がっていて、上手く言葉も出てこない。
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