欠けていく世界で、きみの光を見つけた
それからご飯を食べ終える頃になっても、陸は部屋から出てこなかった。
お母さんは小さくため息をついて、お盆に料理を集める。
私はその様子を見て、そっと立ち上がった。
「私、持ってくよ」
正直、このままリビングにいたくなかった気持ちもある。
受け取ったお盆を両手で持って、リビングを出てすぐ右手にある部屋の前で足を止めた。
片手を空けてノックを二回してみるけれど、返事はない。
「陸。ご飯、置いてあるからね」
できるだけ普通の声で言って、ドアの前にお盆を置く。
中からは、何の音もしなかった。
待っていても仕方がないので、私はすぐに背を向けてそのまま隣にある自分の部屋の扉を開ける。
「あーー」
意味のない言葉を吐き出してパタリとベッドに倒れ込んだ瞬間、体の力が抜けた。
そして、この瞬間を待っていたかのようにあふれ出しそうになる感情を必死で抑えこむ。
……気にしてないつもりだったのに。
『……お姉ちゃんは、夜、外に出れないんだから、当たり前じゃん』
さっきの言葉が、何度も頭の中で繰り返されていた。
平気な顔をしてご飯を食べていたときから、ずっと。
否定したいわけじゃない。
だって、本当のことだから。
でも——。
私だって、特別に扱ってほしいわけじゃないんだよ。
気を遣われるのが、嬉しいわけじゃない。
そう心の内で呟くと、胸の奥がじんと痛み、どんどん視界がぼやけていく。
私はごろんと仰向けに寝返りを打って、目元に腕を重ねた。
みんなと同じように、放課後遊びに行けないこと。
ふうかやひまりが楽しそうに誘ってくれた夏祭りだって、断ったこと。
当たり前だと思って諦めていたことが、急に言葉にされてしまったみたいで、苦しくなる。
私は、みんなとは違うんだって。
改めて突きつけられた気がした。
お母さんは小さくため息をついて、お盆に料理を集める。
私はその様子を見て、そっと立ち上がった。
「私、持ってくよ」
正直、このままリビングにいたくなかった気持ちもある。
受け取ったお盆を両手で持って、リビングを出てすぐ右手にある部屋の前で足を止めた。
片手を空けてノックを二回してみるけれど、返事はない。
「陸。ご飯、置いてあるからね」
できるだけ普通の声で言って、ドアの前にお盆を置く。
中からは、何の音もしなかった。
待っていても仕方がないので、私はすぐに背を向けてそのまま隣にある自分の部屋の扉を開ける。
「あーー」
意味のない言葉を吐き出してパタリとベッドに倒れ込んだ瞬間、体の力が抜けた。
そして、この瞬間を待っていたかのようにあふれ出しそうになる感情を必死で抑えこむ。
……気にしてないつもりだったのに。
『……お姉ちゃんは、夜、外に出れないんだから、当たり前じゃん』
さっきの言葉が、何度も頭の中で繰り返されていた。
平気な顔をしてご飯を食べていたときから、ずっと。
否定したいわけじゃない。
だって、本当のことだから。
でも——。
私だって、特別に扱ってほしいわけじゃないんだよ。
気を遣われるのが、嬉しいわけじゃない。
そう心の内で呟くと、胸の奥がじんと痛み、どんどん視界がぼやけていく。
私はごろんと仰向けに寝返りを打って、目元に腕を重ねた。
みんなと同じように、放課後遊びに行けないこと。
ふうかやひまりが楽しそうに誘ってくれた夏祭りだって、断ったこと。
当たり前だと思って諦めていたことが、急に言葉にされてしまったみたいで、苦しくなる。
私は、みんなとは違うんだって。
改めて突きつけられた気がした。