欠けていく世界で、きみの光を見つけた
二年生の教室が並ぶ三階に上がってすぐの教室へ入っていくサッカー部のみんなを見送り、私とひまりはその隣の教室へと入った。

後ろのドアから入ってすぐ、一番近い列の後ろから二番目の席に腰をおろして、私はほっと息をつく。

ひまりは、その前の席に勢いよく座り、かばんの片付けもそこそこにこちらを振り返った。

「一限から数学ってついてないよね〜」
「だね。ひまり寝ないように気をつけないとね」

そう言って笑うと、ひまりは「寝ませんよ」と私の頬をむにむにと引っ張る。

笑いながらかばんを開き、教科書を取り出したときだった。
間に紛れていたプリントが、ひらひらと足元へ落ちていく。

——あ。

何度か瞬きをして、ひらひら落ちていく紙を目で追った。

そして、その白い紙が床に落ちたのを確認してから、手探りでプリントを探す。

「はい、どうぞ」

手渡されたプリントと同時に、頭上からふんわりした柔らかい声がかかった。
プリントから辿るように視線をあげていくと、見慣れた柔らかな笑顔が待っている。

「ふうか。ありがと」
「いいよ〜。今日もおっとりだね」

言いながら笑うふうかこそが、おっとりした笑顔を浮かべていた。

海野ふうか。彼女もまた小学生の頃からの大切なお友達。

肩下まで伸ばしたセミロングの髪をゆる〜く怒られない程度に巻いた彼女は、その髪をふわりと揺らして笑う。

「あんたたちといると、時間がゆっくりに感じる」
「ひまりはちょっとシャキシャキ動きすぎだよね」

笑い合うふたりに、私も笑みを落とした。

二人は小学校からの親友で、宝物。

私のゆっくりな動きを「個性」として受け止めてくれる、優しい優しい存在なのだ。
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