欠けていく世界で、きみの光を見つけた
「ナイス!」

弾けるような声と一緒に、私ははっと現実に引き戻された。

気づけば、クラリネットを持つ手にはじんわり汗が滲んでいる。

私は小さく息を吐いて、もう一度窓の外へ目を向けた。

色鮮やかなグラウンドの中で、真っ先に飛び込んできたのは、太陽みたいに笑う泰ちゃんの顔。

子供みたいに目を細めて男友達と笑い合うその光景は眩しいくらいに輝いて見えた。

……泰ちゃんの笑顔。

昔からずっと見てきた笑い方。
少し目を細めて、いたずらっぽく口角を上げる顔。

汗でくしゃっと乱れた髪まで、なんだかきらきらして見えて、私は目を逸らせなくなる。

ーーやっぱり、私は隣にいちゃいけない。

あの無邪気な笑顔が好きだからこそ、そう思う。

私の隣にいる、優しくてかっこいい泰ちゃんも好き。

だけど。

あんなふうに、太陽の下で無邪気に笑っている方が、ずっと泰ちゃんらしい。

私は逃げるように視線を落として、クラリネットの銀色の鍵を強く撫でた。

もし、本当に見えなくなってしまったら。
今よりもっと、たくさん迷惑をかけてしまう。

だから。
これ以上、好きになっちゃいけない。

胸の奥に広がる熱を押し込めて、私は静かに息を吹き込んだ。

細く伸びた音は、いつもの音とは比べ物にならないくらい弱々しく。

震えるように揺れながら、夕暮れの教室に溶けていった。
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