欠けていく世界で、きみの光を見つけた
けれど、自分の思いとは裏腹に、それからも、私は泰ちゃんの優しさから離れられなかった。

一緒に帰ったり。
みんなで出かけたり。

「それ絶対買いすぎだろ」
「このくらい食べれるもん。泰ちゃんが少ないんだよ!」

昔みたいに、くだらないことで笑いあう時間は楽しくて。

「菜由、こっち」

人混みの中で振り返る声には安心して。

泰ちゃんといると、私は本当に幸せで。

普通じゃないことなんて忘れてしまうくらい、彼の隣では笑ってばかりだった。

……本当は、離れなきゃいけないのに。

今日だけ。
もう少しだけ。

そうやって一緒にいる時間が増えるたび、私はどんどん泰ちゃんを好きになってしまった。

だけど、その時間は、ずっと続けられるものじゃない。

見ないふりをしていた不安は、少しずつ大きくなって。

そして私は、いちばん傷つけたくなかった人を、最悪の形で突き放すことになってしまった。
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