欠けていく世界で、きみの光を見つけた
文化祭スタッフの初回顔合わせは、それから数日後の放課後、空き教室を使って行われた。

各学年から十人ずつ集まった教室は、最初から楽しそうな声が飛び交っている。

教卓の前では、生徒会の文化課に所属する先輩たちが「今年も賑やかだね」と苦笑いしていた。

「やば、もう結構集まってる!」

駆け足で教室へ入っていくひまりを、私とふうかで追いかける。

黒板にはざっくりとした座席表が書かれていて、真ん中の二列が二年生の席のようだった。

「この辺座ろっか」

ひまりが、列の真ん中のあたりの空いていた席へ迷いなく座る。

その隣を空けるように、私は一列後ろの席へ鞄を置いた。

「菜由いいの?」
「全然いいよ、後ろの方が落ち着くの」

笑ってそう言うと、ふうかは「そっか」と小さく笑う。
私の隣と後ろの席は、まだ空いたままだった。

「だいたい揃ったかな……?」

文化課の先輩がプリントを確認している声を聞きながら、私は、窓の外へと目を向けていた。

窓の外では、夕方前の光がグラウンドを白く照らしている。

開いた窓から聞こえてくる掛け声は、たぶんサッカー部のものだった。

——今日も、あんなふうに楽しそうに笑っているんだろうか。

そのときようやく、自分が何を考えていたのか気づいて、私は慌てて小さく頭を振った。

「すみません、遅れましたー!!」

勢いよく後ろの扉が開いて、外へ向いていた意識が一気に教室へ引き戻される。

前の席では、振り返ったひまりとふうかが、呆れたように笑っていた。

その視線につられるように、私もそっと後ろを振り返り目を丸くする。

「二年生だね、真ん中の空いてる席座って」
「はい」

先輩の指示に礼儀正しく返事をしたその集団は、連れ立って教室内に入ってきた。

「あぶね〜。遅刻するところだった」
「お前がもたもたしてるからだろ」

ひそひそ喋りながら近づいてくる声に、私は反射的に目を逸らし、机へ肘をついて組んでいた指先を口元へ寄せる。

「なんだ、三人も一緒だったんだ」
「俺らは、先生に頼まれてさ」

ふうかが話しかけると、晴斗くんは笑いながらそう答えて、私の隣の席へどさりと腰を下ろした。

その後ろに直哉くん。
そして、泰ちゃんが私の真後ろの席へ静かに座る。

前みたいに振り返って話しかけることもできないまま、私はぎゅっとスカートを握りしめた。
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