初恋の続きはトキメキとともに。
 ……ううっ、この話題ヒヤヒヤしちゃう……!だって打ち上げの後っていえば、まさに洸くんから奇跡の告白をされた時だから。

社内には関係を秘密にすると決めた以上、きっと洸くんは事実を上手く隠して受け流すだろう。

それは分かっているけど、いざその場面が訪れるとソワソワしてしまう。

「あの日は酔ってたというより疲れてたんだ。まっすぐ帰って早めに休ませてもらったよ」

「そうだったんすか。まぁ、展示会終わってからも事後対応でなにかと忙しかったっすからね」

「ゆっくりするのって大事ですよね! そのおかげなのか、主任、今朝はなんかいつもより表情明るいですもん! 週末は何して過ごされたんですかぁ?」

さらにその場の話題は週末の話へと広がっていく。

「日曜日は車で七里ヶ浜まで行って海見てきた。都会の喧騒から離れて自然に癒され、英気を養えたよ」

「へぇー! 海っすか、いいっすね! そう言われるとオレも久々に見たくなってきたなぁ」

「海にドライブって……え! 主任、それ絶対誰かと一緒のヤツですよね!? 誰かっていうか彼女!?」

「いや、1人でだけど? たまに海って見たくならない? 見てるだけで楽しいし。ねぇ、南雲さん?」

「えっ……!?」
 
会話の流れで洸くんが私に意見を求めてこちらを振り向いた。

急に話に巻き込まれて私は思わずギクリとしてしまい、心臓が縮み上がる。

 ……な、なんでここで私に話を振るの!? なんか洸くんの口元、微妙に笑ってない……!?

まるで私が焦るのを楽しんでいるかのようだ。

そう感じてしまうのは気のせいだろうか。

同時に、洸くんの口元を見やった際、私はその薄い唇に視線が釘付けになってしまった。

昨日経験した柔らかな感触が脳裏に蘇ってきて、先程とは違った意味で心臓の鼓動が速くなる。

それらの感情を一旦グッと抑え込み、私は平然とした態度を貫いた。

「……そうですね。確かに広瀬主任の言う通り、海は見ているだけで楽しいと私も思います」

「ほら、南雲さんもこう言ってるしね」

「え〜、でも1人でわざわざ行きます!? うーん、なんか怪しいなぁ……。ね、遥香さんもそう思いません!?」

「えっ、どうかな。私にはよく分からないけど……」

「久我さんはどうですか!? 久我さんなら自分1人で海とか行きます!?」

「オレ? そうだなぁ、まぁ車あるなら行きたくなる時もあるかも?」
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