初恋の続きはトキメキとともに。
久我くんはニカッと笑って必要事項を伝達すると、その足で他の同期にも声を掛けに向かった。

その場に残された私は、同じくその場に残っている結城くんになんとなく話し掛ける。

「結城くんは同期会って参加したことある?」

「ない。初めて」

「私も支社で仲の良かった同期と個人的にごはんに行くことはあったけど、同期の集まりに参加するのは初めて。……なんか少し緊張するね」

「顔見知りの久我が幹事だし、大丈夫なんじゃない?……俺もいるし」

「そうだよね。ありがとう」

元々地味で目立たないタイプだった私は、人数の多い集まりがあまり得意ではなく、自ら進んで積極的に参加する方ではない。

歓送迎会や打ち上げなど仕事に関連した飲み会ならまだしも、同期会はたぶんもっと砕けた雰囲気の飲み会のはずだ。

そう思うと、参加表明した後ではあるが、私は少し怯んでしまっていた。

そんな心の奥底にある弱音がポロリと漏れたところ、結城くんが絶妙にフォローしてくれた。

結城くんもワイワイ賑やかなタイプではなく、たぶん私に近い。

だから気持ちを察して勇気づけてくれたのだろう。

 ……ありがたいなぁ。結城くんって一匹狼っぽくて一見近寄り難い雰囲気なのに、実は人の機微に聡くてフォロー上手だよね。

システムのトラブルの時もすぐ来てくれたし、復旧した時も気を回して先に連絡を入れてくれた。

言葉数が少なく淡々としてるから誤解されがちだろうけど、すごく気遣いのできる人だと思う。

無言でテーブルを片付け、鞄に荷物を詰める結城くんを見ながら、私はそう思った。
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