初恋の続きはトキメキとともに。
「ていうか、話を聞く限り、イケメン先輩ってめちゃくちゃ言動が甘々じゃん! 遥香ってば愛されてるね〜!」

「あ、あああ愛されて……!? ええっ、そ、そんなことないよ! 洸くんは昔から誰にでも優しいし、人たらしだし……!」

「またまたぁ〜! 照れちゃって可愛いんだから!」

「茉侑ってば、揶揄わないでよ……! でも、ホントに私にだけに特別ってことはないと思うの。……その、たぶん長年付き合ってた彼女さんにも同じ、ううん、それ以上だったはずだから……」

「遥香……」

自分で話しておきながら、だんだんと言葉尻が弱々しくなっていく。

私の異変に気づいたのか、茉侑も笑顔を引っ込め、心配そうな眼差しを向けてきた。

その目が「話してみて?」と告げている。

私は交際開始当初からずっと心の奥底で抱いてきた不安をポツリポツリと吐露し始めた。

「――なるほど。遥香はイケメン先輩の一時的な気の迷いで、そのうち終わるって怯えてるわけね? う〜ん、手が届かないと思ってきた憧れの人が彼氏になったからこその悩みだね。しかも遥香は元カノと付き合ってる頃の彼も見てるわけだし、確かにそりゃ不安にもなるよねぇ……」

ひと通り話を聞いた茉侑は、うんうんと深く頷いて、私の気持ちに寄り添ってくれる。

片想いをしていた高校時代を知るっているからこそ、私の抱く不安の根源を正しく理解してくれたようだった。

「一方的に見つめていた人と、見つめ合う関係に変わったわけでしょ? 憧れから現実の恋愛になったってことだし、ここはやっぱり――……」

「あれー? 茉侑じゃない! 久しぶり〜! えっ、ってことはもしかして隣は遥香!? うっそ、超可愛くなってるー!」

その時、かしましい明るい女性の声が茉侑の言葉を遮った。

名前を呼ばれて反射的に振り返ると、中学・高校時代の同級生がこちらに向かって満面の笑顔で手を振っていた。

彼女はススっと私達の方まで歩み寄って来ると、おもむろに空いている席に座り、親しげに話し掛けてくる。
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