幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
「ぜ、全然! 私はその、麻酔科医として一緒に仕事をしてる経験からありのままを……」
「別に照れなくてもいいだろ。ふたりがうまくいって俺もうれしいし」
「そうなの? 初耳」
幼い頃は、洸と私という同い年コンビに章くんも加えた三人でよく遊んだけれど、彼だけが三つ年上だから、それもせいぜい小学生の頃まで。
先に中学生になった章くんはあまり私たちの輪に加わらなくなり、同年代の友達と遊んだり、ひとりでフラッと出かけたりするから、会話もめっきり減っていた。
「だって、洸は昔から美葉ひとすじだろ」
章くんが冷やかすようにそんなことを言うので、食べていたパンの欠片が気管に入り込み、げほっと噎せた。
「む、昔は幼なじみとして慕ってただけでしょう?」
「洸がそう言ったの?」
「そういうわけじゃないけど……」
まさか、洸は子どもの頃から私を気にしてくれていたの……?
今まで考えもしなかった可能性を章くんに気づかされ、心臓が早鐘を打つ。
「でも、昔はともかく、今は溺愛されてる自覚あるだろ?」
洸が溺愛……? その恥ずかしい響きに、ますます頬が熱を持った。
章くんは私たちが友情結婚だとは知らないから、誤解しても仕方がないけれど。