幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
クールな彼も甘えん坊な彼も
「ええ~! 幼なじみとの遠距離がついに実ったんだ! おめでとう、美葉」
「あ、ありがとう」
医学部時代の友人、百山紀佳を前に、私は曖昧な笑みを浮かべていた。
フェミニンな内巻きボブ、透明感のあるさっぱりした顔立ちが魅力の彼女は産婦人科の専門医になるという目標を叶えたばかり。
大学のある地元に残った彼女とは卒業して以来お互い多忙で会えなかったけれど、この頃は少し余裕が出て来たとのことで、観光がてら上京してきたのだとか。
せっかくなので女子会にぴったりのイタリアンレストランの個室を予約し、スパークリングワインで乾杯した。
前菜やサラダをつまみながら自然とお互いの近況を報告し合う流れになり、ちょうどいい機会なので結婚報告をしたら、先ほどの反応が返ってきたわけだ。
私と洸は別に、遠距離恋愛を実らせたわけではないんだけどね……。
「洸くんって、確かめっちゃイケメンだったよね~。毎日目の保養ができちゃうなんて最高の旦那様じゃない」
「あれ? 紀佳に洸を紹介したことあったっけ?」
大学時代は私自身がすっかり洸と疎遠になってしまい、お盆やお正月に実家に帰った時くらいしか会っていなかったような。
……私が忘れているだけ?