幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
洸は国内有数の医療レベルを誇る帝応大学病院に勤務し、最短で心臓血管外科の専門医認定を取得した若きスーパードクタ―。
百八十センチ超えのすらりとした体躯に、俳優顔負けの美麗な顔立ち。父親は総合病院の院長で、兄も医師として海外留学中。
容姿もスペックも完璧な彼を、周囲の女性が放っておくとは思えない。まだ医者になる前の学生時代からモテモテだったし。
「じゃあ、俺とする? 結婚」
「あはは、幼なじみと同情婚? 切ないよ」
洸は私を慰めてくれようとしているんだろう。気を遣わせてしまったのが申し訳なくて、あえて自虐的に笑った。
隣で洸が腰を上げる音がして、歩み寄ってきた彼が目の前に立つ。
それからブランコの鎖を掴む私の手をそっと包み込むように握ると、身を屈めた。
「冗談で言ってるわけじゃない」