幼なじみドクターはクールなふりして愛妻家
結婚生活の始まり

 結婚の準備はトントン拍子に進み、四月も下旬に差し掛かった日曜日の昼間に、私と洸、それにお互いの両親とで料亭の一室に集まり、食事会を行った。

 もちろん、結婚の意思を伝えるためだ。

 個室の窓からは庭が見え、遅咲きの八重桜が美しく咲いている。

 普段あまりお目にかかれないスーツ姿の洸はきりっと男前で、軽くドキドキしてしまった。結婚話が出てから、洸がいっそう優しくなったのも原因かもしれない。

 たとえ友情結婚でも、彼なりにけじめをつけようとしてくれているのを感じる。

 真剣な面持ちで背筋を伸ばしている洸は、乾杯の前に私の両親に向かって口を開いた。

「美葉さんとの結婚をお許しいただけますか? 必ず幸せにします」

 みよちゃん、美葉、雪村先生。色々な呼び方をされてきたけど、こんなふうに『美葉さん』と呼ばれるのもまた新鮮だ。

 お互い両親を含め気心の知れた仲なので、今さら反対されることはないだろう。それがわかっていても、かしこまった席なので独特の緊張感があった。

 私の両親は目を見合わせると、穏やかに微笑む。

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