私の理想の王子様

本当の気持ち

 それからしばらくした週末、朝子は間宮とともに都内の撮影スタジオに向かっていた。

 以前ミチルから依頼された、タウン誌の表紙撮影をするためだ。

 朝子はメイク道具がいっぱい入った大きな鞄を肩にかけ直すと、地下のスタジオに続く階段をゆっくりと降りる。


 タウン誌の表紙の依頼を受けた日、ミチルを見送った朝子は、すぐに会議室に戻った。

 そして、ミチルからの依頼内容をみんなに報告したのだ。

 表紙・巻頭インタビューという華々しい内容とはいえ、地域のタウン誌ということもあり、大きな広告を想定していた皆の反応はとても薄いものだった。

 でも朝子は、資料を見ながら自分のアイデアを皆に伝える。


「いきなり大きな広告で試すには無理がありますが、地域のタウン誌だからこそ、やってみる価値はあると思います」

 すると説得するような朝子の声に、次第に皆の顔つきが変わっていく。

「田野倉さんの案、結構インパクトあるかも知れませんよ」

 初めに間宮が朝子の案に賛同してくれ、次に由美が納得したようにうなずいた。

「そうね。このタウン誌は私もよく知ってる。せっかくもらったチャンスだもの、やってみましょう!」

 由美の声に皆が一斉に顔を上げた。

「ビーミーシリーズの認知度アップは、朝子ちゃんにかかってるわよ!」

 由美にプレッシャーをかけられながらも、朝子はワクワクする気持ちで大きくうなずいたのだ。
< 126 / 147 >

この作品をシェア

pagetop